特集

上矢作に暮らす人や風景

熊野神社

宮司 大島 利美さん
総代会長 岩崎 三男さん

取材日 : 2023年3月28日

広報 永井さやか

熊野神社はどんな神社ですか。

大島宮司:

江戸時代の寛永年間に和歌山の熊野三山(本宮大社、那智大社、速玉神社)のうち、本宮大社の御祭神須佐之男命をこちらで祀っています。全国に3000ある。
その後昭和17年に改修し今の本殿が出来ました。年数にすると370~80年前からになり、私で5代目の宮司になる。

年間を通じてどんな活動をされていますか。

大島宮司:

祭事は毎月あって、紹介すると、1月の歳旦祭(さいたん)、2月の祈年祭(きねん)。これは一年の安寧を祈願する祭り。どこの神社でもやっている。3月の学神祭(がくしん)、これは小学校に入る子どもと中学校を卒業する子どもを呼んでお祭りする。これは他のお宮ではあまりやっていないと思う。
4月は御例祭、これは熊野神社で最も大きなお祭り。5月は普通の月次祭(つきなみさい)、6月は大祓祭(おおはらい)、年に二回に分けて罪やけがれを祓うお祭り。そして、7,8,9、10月は普通の月次祭(つきなみさい)。11月は新嘗祭(にいなめ)、要は秋の実りへの感謝祭。そして12月は大祓と除夜祭と、年に毎月12回は必ずある。
そのうち、2月の祈年祭、4月の御例祭、11月の新嘗祭は大祭といって、どこのお宮でも神殿の扉を開く。

熊野神社のお役はどんな思いでされていらっしゃいますか。

岩崎総代会長:

氏子の代表で神社のお世話をする総代は下地区と小田子地区から2人ずつ出ています。伝統あるお宮さんなので、伝統を崩さずに出来る範囲にはなるが、一生懸命やりたいと思っています。

関わってみて大変だったことがあれば教えてください。

岩崎総代会長:

それはやっぱり毎月出て来なければいかんし、みんなをまとめていかねばならない。それにここ3年間なかった春祭りを復活してやるので、どこまで出来るのか心配だが、地域の方や役員さん方にお願いして出来る限りやれるように頑張りたいです。
若い人はお祭りが好きなほうだが、消防団員も私たちの頃には30数名いたのが、今は1人。このように若いい人が本当に少なくなっていて、年寄りばっかりで屋台も引くことになり、苦労すると思います。

熊野神社の魅力について。

大島宮司:

4月の御例祭の中に巫女舞がある。中学生の女の子が巫女舞をしてくれる。町内ではここだけ。今はぎりぎり4人だが、昔は大勢の中から選ばれた。やりたくてもできない子もいた。巫女の家族も来てくれるので盛大にお祭りもできた。今年は4月16日(日)にやるので、雰囲気が分かるので、せひ見に来てください。
あとは下区小田子区両区が境内でもみ合う通称「けんんかみこし」も他所にはない。

今年の春祭りの日程は

大島宮司:

4月15日(土)16日(日)の両日

お祭りの見どころを教えてください。

大島宮司:

4月15(土)夜7時半に宮入りで、先程のみこしのもみ合いはこの時。そのあと両区の屋台が上がって、両区仲良く二つの太鼓をみんなでたたく。その後に神事の祝詞が終わると、両区の代表が、「巫女舞」奉納太鼓をたたく。これは小中学校でも教えていない。16(日)には狛犬の脇に設けた舞台で4人の巫女が巫女舞をする。

上矢作の魅力について

大島宮司:

どこの神社も3年ぶりで今年はお祭りをやると思う。氏子の人数がどこの地区でも昔の三分の二に減ってきている。上矢作出身者で他所へ出ている人たちがその日に戻ってきて太鼓をたたいてくれるといい。人数の少ない中でのお祭りなので、無理のないように少し簡素化してでも今年を新たなスタートの年としてやっていきたい。何もしないと巫女舞でも途絶えてしまう。
ここの熊野神社は地元の氏神様で、お祭りには初参りの子どもや新嫁さん、新婿さんも参拝してお祓いしてもらう。