特集

上矢作に暮らす人や風景

夕方4時@初夏の陽気の創造の森キッチン前

菱川豊子さん(本郷)
安藤富子さん(漆原)

取材日 : 2022年4月25日

インタビュー・写真 : 荻山直子

【配食サービス・五平餅作り】に携わることになったきっかけは何ですか?

菱川さん:

定年退職をした時、ちょうど民生委員の改選の年で、委員を受けることになり、民生委員のメンバーの中で「お弁当作りとかサロンみたいなのをやりたいんだけど」と話しをしたところ、計画を立ててくれるならば手伝ってもいいよという声があって、既存のお弁当作りのチームも高齢化して後継者がないという時だったので、私たちが新しいチームを作って始めてみようかというのが始まりです。
その時に、お弁当作りに意欲のある安藤さんに声をかけて、民生委員や、やる気のある方を2人入れて、7人グループで始めたんです。始めてから何年かたって、道の駅がリニューアルオープンしたとき「食に関することでやってもらえませんか?」という声をいただき「手伝ってみようか」というのがきっかけで道の駅に入りました。
このグループで屋台の五平餅の担当をいただいて、3年やって、今の道の駅につながってきました。

安藤さん:

私も退職する頃に、上矢作コミュニティセンターで行われた道の駅の提唱者である熊本大学の徳野貞夫教授を招いたまちづくり講演会に参加しました。そこで豊子さんに出会って…。
私のおじさんが独居で本郷にいたんですけど「今日茶碗蒸しできたよ。味御飯できたよ」って持っていくと、おじさんは調理時間を余暇に使って、本を読んだり、爪を切ったりしてくださっていて…。それから、近所の人も高齢だったので、料理を作ることが好きな私は運んでは行ったりして。
なんか人の食事を作るのは楽しいなと思っていた時、豊子さんと出会って、お弁当を作るきっかけとなりました。

活動(仕事)は何を?

菱川さん:

一人くらしの方に月に2回お弁当を作り、別のグループで月に1度地域のお年寄りを集めてサロンをやっています。道の駅では、五平餅とお惣菜を諸々出ていますが、社会福祉協議会からの月2回のお弁当配食サービスだけでは、高齢者の食を支援するには足らないのではないかということで、道の駅の会議で「お弁当をとれるようにしてはいかがでしょう?」と提案し、PRチラシを出したら、現在8名くらいがお弁当をとってくれています。毎週月曜日にお弁当を配達サービスで届けるようになり、少しは食の支援が手厚くなってきたかなと思います。

良かったこと、大変だったことは?

菱川さん:

良かったことは仲間に出会えたことと、配食やサロンもやれて、地域のことに関わっていくことが、大変ですがこのメンバーとワイワイ言いながらやっているのが楽しいです。先日道の駅がTVで放映されたので、今後ハードな日が続きそうですが、大変さが分かち合えるので、その後の充実感と楽しさで何とかつながっています。

安藤さん:

私も同じです。メンバーも同じ思いです。上矢作のいろいろな人たちに出会えるきっかけになったことがすごく良かったかなと思います。
個人的なことですけど、弁当の食材も自分で少しでも出来たらいいなと思って。農薬を使わないもので。
お百姓もやるようになって、土をいじるといやされるし、それも楽しくて。それに、道の駅に農作物を出品できるし。
(すごく稼いでるんですよ… :菱川さんが安藤さんの顔をみて突っ込み 笑)

活動を続けている思いは?

菱川さん:

つながりがあって楽しいし、道の駅で売れれば、また売れたよろこびもあるし。やめたいとは思わんねぇ。どういうわけか。配食なんかもボランティアなんだけど、楽ししいものだからそれでやれている。

安藤さん:

私は、住めば都で、上矢作が一番大好き。(笑)
上矢作のために、ちょこまかちょこまか動いている。ここの道の駅も元気になれたらいいなと思ってやらせてもらっています。

上矢作の魅力は?

菱川さん:

上矢作は早くから福祉が進んでいて病院もあるし老人ホームもあって、そういうバックアップがある中で子育てをしたりお年寄りを支えたりしているので、田舎なんだけどすごく色々に恵まれていて、人にも恵まれているっていうのと、自然豊かなところでボランティアだけじゃなくてお仕事も出来る。ここで生まれて、(ここの暮らしが楽しくて)木の実峠を越えられなかったかもしれんね。仲間たちと活動できるのが楽しかったかもしれないです。

安藤さん:

魅力はやっぱり自然かな~。うちの娘が小さいときに、山はあるし、川はあるし、ちょっと足を延ばせばスキー場もあるので私はここにすみたいなぁと言っとったけど。自然が豊かなところ。それは魅力だと思います。
子育て支援の仕事もさせていただいて、若いお母さんたちと出会う機会があって、よそから仕事でこられた方が「ここの若いお母さんたちは、すごい元気がある」って言われるんですね。実際いろいろな場面でパワフルな活動ができているところがいいなと思います。