特集

上矢作に暮らす人や風景

アライダシを守る会

安藤信明さん
小木曽基雄さん

取材日 : 2023年7月

アライダシを守る会の活動はどんなことをされてますか?

安藤さん:

今は 環境整備活動 として 恵那市が借りている国有林の園内の歩道の笹刈りをやったり 倒木の処理をやったり、今年は倒木の可能性があるものを取り除くように調査して役所に報告しました。 毎年地元の人たちに観察会を行ったり、中学の山林学習で学生を案内したり またガイドの研修もやっています

活動のきっかけは?

安藤さん:

私は文化財保護部会に入っていましたが新しくアライダシ保護部会を作ろうじゃないかっていうことで、先輩方からそんな話を持ちかけられて そこに会ができて私が長になったのが一番最初のきっかけでした。 私が始めてから7年目か7年半ぐらいですかね 。

活動の中で良かったこと、大変だったことは?

小木曽さん:

私も加入して3、4年 なんですけども、ガイド講習会とか会員の知識向上ということで ガイド講習会 っていうのをやってるんですけども、その中では森林インストラクターさんがいらっしゃって、その方の豊富な知識をご教授いただいて自然の仕組みや知識を高めることができて楽しいです。 また、よそへ研修に出かけることもあって会員のコミュニティの場 ということで楽しくやってます。
大変なことは毎年整備や下刈りとか、沢を渡たるところなんかは橋をかけたりするんですけども、会員も高齢化してるのでやりたいところはいっぱいあるんですけど手が回らないっていうのは大変なところというふうに思います 。

安藤さん:

大変なこと? あまりないです(笑)
良かったこと? 会員の皆さんが積極的に協力して作業をやってもらってることです。

活動を続けている思い、やりがいは?

小木曽さん:

大自然の中に入って気持ちがいいっていうのはもちろんなんですけども、そういう現場の自然の中に入って気がつくところや気づかされるようなこともあって面白いなと。 観察会なんかでは参加者からも感動や喜びの声を聞くので、そういった声を聞くとよかったな 力になれたかなと思うし、そういったところがやりがいを感じるところかなと思います。

安藤さん:

私は初めて見たときにあそこの自然にびっくりしたり感銘を受けたりしました。 毎年時々行くと大木が倒れていたり、あるいは「笹枯れ」の年に遭遇したり毎年毎年いろんな変化があります。 そういうのを皆さんと一緒に見て見届けていると言うか そういうところがいいところかな と思います。

アライダシ自然観察教育林の魅力をお聞かせいただきたいです

小木曽さん:

アライダシ自然観察教育林の規模としては、面積が約10ヘクタールくらいで他の国有林などの設定しているレクリエーションの森や一般的な森林公園と比べてもあまり大きな区域じゃないんですよね。 この辺は北限南限のまじりあう地域なので植物が多種多様ですし、地形や気候、斜面の向きによって地面の湿り具合とかそういったことでも植生が変わってきますし、その中で動物もたくさん住んでいて生態系を形成してるということを感じられる。 木が倒れてその上に種が着床して芽生えていって大きくなる。倒木更新とかそういったことが間近で見ることができるところがいいところじゃないかなと思います。いろいろな知識はテレビとか書物とかネットで検索したりして勉強することはできますけど実際に自分の目で触れて感じて、五感をフルに発揮して感じるところがいいんじゃないかなというふうに思います。

上矢作の魅力について

安藤さん:

アライダシで言えばブナだけの森は飛騨にも東北にもあります。 ですが、ブナとイヌブナと一緒にあるところは上矢作だけなんですよ。 ブナ・イヌブナとあるいはミズナラやダケカンバ、ミズメの大木が混合して一緒にあるのが上矢作のアライダシ。 それが一番特徴かなって思ってますので、そんなところを大事にしていきたい。
あそこにはまだ(舗装された)道は入ってないですけど、会員の皆さんは道が入らない方がいい。 その方が自然を原生林をそのまま残していける。 車で直にそこまで行って簡単に入っていけるよりは、そのままの方が原生林を自然を守っていくのにいいんじゃないのかな。 そのほうが魅力が増すということで。

小木曽さん:

恵那市には名のある山、地図に名のある山が20山ぐらいあるんですよね 1/3ぐらいは上矢作にあって 標高1000m 超えるっていうのは 笠置山のちょうど頂上付近かあの岩村との境の三森山。 それ以外は 1000m 超える山っていうのは上矢作だけなんです。 最近は山岳観光に目をつければ、「ゆるやま登山」とかテレビでもいろいろやってますよね。 上矢作はほとんど山なんで、そういったところで 登山道とか昔の古道って言うんですかね、そういったのも再発見してなんかイベントでもやるとか面白いのかなと思います。